【WEBTOON】断食魔女と肉食神官~拾った子供が聖女に選ばれた魔女のお話~【コミカライズ】
マリアが再会を喜べば、彼女の罪は有耶無耶になり、美談に収まったかもしれない。
けれど、マリアはこの人を母親だと認めていない。寧ろ、ハッキリと拒絶をしている。
つまり、この人は愚かにも、自らの罪をここで露呈しただけなのだ。
「それでは、中でゆっくりと、詳細を聞かせていただきましょうか」
騎士たちがそう言って、女性のことを取り囲む。
「や……待って! 私、そんなつもりじゃ」
わたしは現世の司法制度に詳しくないし、時効の兼ね合いや、量刑の程度、罪人がどうなるかなんて全然わからない。けれど、全くお咎めなしというわけにはいかないだろう。なんといってもマリアはこの国の聖女。とても重要な存在なのだから。
とはいえ、神殿は裁判所ではない。ここではひとまず話を聞くだけになるのだろう。
だけど、それでも今、この人は己の境遇に恐れ慄いている。
(マリアの絶望を、悲しみを思い知れば良いんだわ)
ふん、と鼻を鳴らし踵を返す。
「お母さん」
だけど、そんなわたしの元に、マリアが勢いよく飛び付いてきた。
悲しみも絶望も微塵も感じさせない、幸せそうな笑顔。
(ああ、この子にとっての母親は、本当にわたしだったんだなぁ……)
わたしは六年分の愛情を込めてマリアを抱き返す。
それから二人で涙を流しながら笑い合うのだった。
けれど、マリアはこの人を母親だと認めていない。寧ろ、ハッキリと拒絶をしている。
つまり、この人は愚かにも、自らの罪をここで露呈しただけなのだ。
「それでは、中でゆっくりと、詳細を聞かせていただきましょうか」
騎士たちがそう言って、女性のことを取り囲む。
「や……待って! 私、そんなつもりじゃ」
わたしは現世の司法制度に詳しくないし、時効の兼ね合いや、量刑の程度、罪人がどうなるかなんて全然わからない。けれど、全くお咎めなしというわけにはいかないだろう。なんといってもマリアはこの国の聖女。とても重要な存在なのだから。
とはいえ、神殿は裁判所ではない。ここではひとまず話を聞くだけになるのだろう。
だけど、それでも今、この人は己の境遇に恐れ慄いている。
(マリアの絶望を、悲しみを思い知れば良いんだわ)
ふん、と鼻を鳴らし踵を返す。
「お母さん」
だけど、そんなわたしの元に、マリアが勢いよく飛び付いてきた。
悲しみも絶望も微塵も感じさせない、幸せそうな笑顔。
(ああ、この子にとっての母親は、本当にわたしだったんだなぁ……)
わたしは六年分の愛情を込めてマリアを抱き返す。
それから二人で涙を流しながら笑い合うのだった。