【WEBTOON】断食魔女と肉食神官~拾った子供が聖女に選ばれた魔女のお話~【コミカライズ】
40.それから聖女
セドリックの懇願。
わたしとマリアと家族になりたい――――それはセドリックの心からの願いだろう。
城を追われ、家族からも見放されたように感じていた彼が『家族がほしい』と思えるようになった――――わたしはそのことがとても嬉しい。
(だけど、本当にわたしで良いんだろうか?)
正直自信があるわけではない。
けれど、セドリックは頑なだったわたしの心を変えてくれた。心が変われば運命が変わるなんて格言があるぐらいだもの。これからわたしは、きっともっと変わっていける。セドリックと一緒に現在を積み重ねていけば、今よりもっと幸せになれるに違いない。
しばらく逡巡してから、わたしはとても小さく頷いた。
けれど、それだけでセドリックには十分伝わったらしい。彼はわたしのことを抱き上げ、それから嬉しそうに満面の笑みを浮かべた。
「ちょっ! こんなところで何してるんですか⁉」
「スミマセン……嬉しすぎて、自分を抑えられないんです」
「いやいや、抑えてよ! わたしのことを思うなら、ちゃんと抑えましょうよ!」
幸い、集まった人々からわたしたちの姿は見えないけれど、他の神官たちがこっちを見ている。その上『またあの二人か』的な視線を送られると、なんともいえない気持ちになるから止めてほしい。
わたしとマリアと家族になりたい――――それはセドリックの心からの願いだろう。
城を追われ、家族からも見放されたように感じていた彼が『家族がほしい』と思えるようになった――――わたしはそのことがとても嬉しい。
(だけど、本当にわたしで良いんだろうか?)
正直自信があるわけではない。
けれど、セドリックは頑なだったわたしの心を変えてくれた。心が変われば運命が変わるなんて格言があるぐらいだもの。これからわたしは、きっともっと変わっていける。セドリックと一緒に現在を積み重ねていけば、今よりもっと幸せになれるに違いない。
しばらく逡巡してから、わたしはとても小さく頷いた。
けれど、それだけでセドリックには十分伝わったらしい。彼はわたしのことを抱き上げ、それから嬉しそうに満面の笑みを浮かべた。
「ちょっ! こんなところで何してるんですか⁉」
「スミマセン……嬉しすぎて、自分を抑えられないんです」
「いやいや、抑えてよ! わたしのことを思うなら、ちゃんと抑えましょうよ!」
幸い、集まった人々からわたしたちの姿は見えないけれど、他の神官たちがこっちを見ている。その上『またあの二人か』的な視線を送られると、なんともいえない気持ちになるから止めてほしい。