【WEBTOON】断食魔女と肉食神官~拾った子供が聖女に選ばれた魔女のお話~【コミカライズ】
「勝手に事を進めるから、こういうことになるんですよ」
言いながら『いい気味だ』と思うあたり、わたしも大分性格が歪んでいる。とはいえ、あれだけ迷惑を掛けられてきたんだもの。少しぐらい――――いや、うんと困れば良いと思う。
「そんなこと言って! 正直に言ってもジャンヌ殿は付いてきてくださらないでしょう?」
「そりゃあそうですよ。だけど、そうと分かっていてマリアに出来ない約束をしたのは貴方でしょう?」
さすがの神官様も返す言葉が見つからないのだろう。悔し気な表情でぐっと口を噤んだ。
「マリア様、どうか泣かないでください」
ふと見れば、わたしの隣で泣きじゃくるマリアを、侍女達が必死に慰めていた。彼女達はマリアの背中や頭を撫で、抱き締め、優しく慈悲深い表情を浮かべている。
マリアもマリアだ。
わたしなんか居なくても、こうして皆に可愛がってもらえているんじゃない。
わたしはあの子が泣いたって、慰めてやらないし抱き締めてもやらない。『さっさと泣き止め!』って怒るし、ため息だって漏らす。
こんな女のことなんて、さっさと忘れてしまえば良いのに――――そう思っている筈なのに、何故だか無性に目頭が熱い。
面倒だって。良い迷惑だって思っているのに。