【WEBTOON】断食魔女と肉食神官~拾った子供が聖女に選ばれた魔女のお話~【コミカライズ】
「三食昼寝付き、専用の侍女が付きます」
背後から神官様がボソリと呟く。
「掃除や洗濯、面倒な家事は一切しないで良くなります。お召し物も、今より良いものをご準備します。他にも、ジャンヌ殿のご要望に出来る限りお応えしますよ」
神に仕えるものが発しているとは思えない悪魔のささやき。『それなら』と言いたくなるような理由を並べ立てられ、心が大きく揺れ動く。
「せめてマリア様が正式に聖女に就任するまでの二か月間、ここで過ごしていただけませんか? どうしてもと仰るなら、マリア様にバレないよう、時々こっそりと家に帰っても良いです。私も最大限にサポートさせていただきますから」
「――――二か月間だけですからね」
ここまで言われちゃ、さすがのわたしも折れざるを得ない。至れり尽くせりだし、断る理由が無いから受け入れたってだけで、別にマリアのために滞在を決めたわけじゃない。
わたしは神官様と取引をしただけ。それ以上でも以下でもないんだから。