【WEBTOON】断食魔女と肉食神官~拾った子供が聖女に選ばれた魔女のお話~【コミカライズ】
「で? どうしてあなたがここに居るんです?」


 マリアが部屋に居ない理由はわかった。あの子がわたしを起こさないように気を使ってくれたんだってことも。
 だけど、それと神官様がこの部屋にいる理由――――わたしのベッドに潜り込んでいる理由は結びつかない。


「いえね。朝起きて、マリア様が居なかったら、ジャンヌ殿が寂しがるんじゃないかという話になりまして」

「ほぅ……で?」

「それで、私がこのお部屋でジャンヌ殿が起きるのをお待ちすることになったんです。だけど、ジャンヌ殿は中々起きませんし、あまりにも気持ちよさそうな寝顔だったので、私もだんだん眠くなってきまして。気がついたらこのような事態に」

「ふぅん。つまり、あくまで自らベッドに入った認識はないと」

「そうですねぇ」


 神官様はそう言って、ツイと顔を背ける。だけど、彼が一瞬だけ浮かべた含み笑いを、わたしは見逃さなかった。


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