【WEBTOON】断食魔女と肉食神官~拾った子供が聖女に選ばれた魔女のお話~【コミカライズ】
14.どんな世界にも偶像は必要らしいです
(くそぅ……せっかく着替えたのになぁ)
神官様はわたしに着替えを命じた。自分の服(サイリックが取りに行ってくれた)ではなく、神殿側が用意した服を着ろというのだ。
渡されたのは、白いシルクのドレス。白と銀の糸で繊細な刺繍が施されている逸品で、見ているものに『清楚なお嬢様』って印象を与える。
仕上げに侍女たちに髪を結い上げられ、純白のベールを頭からかぶった。
「ったく……ガラじゃないっつーの」
今より擦れてなかった前世ですら、こんな格好したことないのに。ホント、バカみたい。
いや――――違う。
一度だけあった。
前世で――――結婚式の衣装合わせで、ウェディングドレスを試着したことを思い出す。
綺麗だねって言われた。誰よりも綺麗だよって。
それでわたしは『嬉しい』って笑って。
だけど彼は、結局、違う人を選んだ。
どす黒い感情が胸の中を渦巻く。
息が物凄く苦しくなった。
神官様はわたしに着替えを命じた。自分の服(サイリックが取りに行ってくれた)ではなく、神殿側が用意した服を着ろというのだ。
渡されたのは、白いシルクのドレス。白と銀の糸で繊細な刺繍が施されている逸品で、見ているものに『清楚なお嬢様』って印象を与える。
仕上げに侍女たちに髪を結い上げられ、純白のベールを頭からかぶった。
「ったく……ガラじゃないっつーの」
今より擦れてなかった前世ですら、こんな格好したことないのに。ホント、バカみたい。
いや――――違う。
一度だけあった。
前世で――――結婚式の衣装合わせで、ウェディングドレスを試着したことを思い出す。
綺麗だねって言われた。誰よりも綺麗だよって。
それでわたしは『嬉しい』って笑って。
だけど彼は、結局、違う人を選んだ。
どす黒い感情が胸の中を渦巻く。
息が物凄く苦しくなった。