(琉衣くんは)極甘な国に閉じこめたい

僕は靴を履き、家を飛び出した。

30メートル先。小雪ちゃんを発見。

道路に出ようと、僕の家の庭を歩いている。


僕は猛ダッシュで
小雪ちゃんに追いつくと

「お願い。
 何も言わずに、僕の部屋に来て」

強引に、彼女の腕を引っ張った。



謝りたいんだ、本当は。


『さっきは、ドキドキしすぎて
 逃げ出しちゃってごめんね』って。


でも今は、強引な僕でいかせて。


小雪ちゃんの顔も見れないまま

部屋に連れ込むことだけを考える
自己中な僕を許して欲しい。


だって

小雪ちゃんの言うことを
何でも聞いてあげる
優しい僕のままでいたら

『家に帰りたい』って言われた時

『小雪ちゃんが帰りたいならいいよ』って
言ってしまいそうだから。


今は小雪ちゃんと
二人だけの時間を過ごさせて。


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