(琉衣くんは)極甘な国に閉じこめたい


「あの人はね
 贅沢な時間を過ごせる
 夢のようなホテルを
 一代で築きあげたからね」


「うんうん、本当にすごいね」


「僕はすごく尊敬してるんだよ
 父さんのこと。

 経営者としても
 一人の人間としても」


「素敵なお父さんなんだね」


「でも僕は、日本だけじゃ
 満足できないんだけどね」


えっ?

日本だけじゃ、満足できない?


「自分の理想のホテルを
 世界中に建てる。
 それが僕の夢だから」



すごいなぁ。

琉衣くんは私と同じ高3。

それなのにもう
自分の叶えたい未来を
描いているんだ。


おっとりで優しいのに
自分の意思を
きちんとと持ってるところ。

凛としていて、本当にカッコイイ。


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