(琉衣くんは)極甘な国に閉じこめたい



「ここは、僕と小雪ちゃん
 二人だけの王国です」


「……はい」


「小雪ちゃんに酷いことを
 言う人は、誰もいないよ。

 だから小雪ちゃんは
 自分が思うままに
 生きればいいからね」


「……うん」


「ねぇ、小雪ちゃん。
 僕と二人だけで、嬉しい?」


「嬉しい…です…
 すっごく……」



薄暗い琉衣くんの部屋で

二人並んで
ベッドに腰掛けて

手をつないだままで

琉衣くんは私に
優しく微笑んでくれている。



胸が高鳴って
心臓が壊れちゃいそう。


幸せ過ぎて
私たち二人だけの時間を
誰にも邪魔されたくない。


そんな贅沢なこと
ストレートに思っちゃうよ。


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