(琉衣くんは)極甘な国に閉じこめたい



私は首をブンブン振ってみた。


うつむいているから
琉衣くんの顔は確認できない。


「ダメかぁ。
 じゃあ、ここならいいよね?」



琉衣くんの甘い声が
私の耳に吹きかけられ

キュンキュンで
鼓膜がとろけそうになってしまう。



耳がくすぐったいよ。

琉衣くんの息がかかって。

そう思っていたのに……


「ひゃぁぁぁぁ!!」


耳に生ぬるい温度を感じ

私はベッドから床に
転がり落ちちゃった。



「小雪ちゃん、大丈夫?」


大丈夫なわけないじゃん。


キキキ…キス
されちゃったんだから。


私の耳に、チュッって。



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