(琉衣くんは)極甘な国に閉じこめたい


琉衣くんの右手が、私の頬に触れた。


頬の感触を確認するかのように
親指でなでてくる。



琉衣くんの手が私の頬を滑りおち

スー

今度は親指の腹で
私の唇をこすりだした。



「イチゴより甘そうな場所
 見つけた」




私の唇……

食べられちゃうのかな?




まるで私は
ホワイトタイガーに狙われた
ウサギみたい。


緊張MAXの私は
オロオロと
目を泳がせずにはいられない。



「ねぇ、小雪ちゃん。
 そんなに肩を震わせて、僕が怖いの?」


「琉衣くんって
 いつも優しく笑ってるのに……
 今は全然
 笑ってくれないから……」


「今は、優しい僕にはなれないよ。
 小雪ちゃんのこと
 メチャクチャにしたくて
 たまらないからね」

< 65 / 72 >

この作品をシェア

pagetop