(琉衣くんは)極甘な国に閉じこめたい
琉衣くんの右手が、私の頬に触れた。
頬の感触を確認するかのように
親指でなでてくる。
琉衣くんの手が私の頬を滑りおち
スー
今度は親指の腹で
私の唇をこすりだした。
「イチゴより甘そうな場所
見つけた」
私の唇……
食べられちゃうのかな?
まるで私は
ホワイトタイガーに狙われた
ウサギみたい。
緊張MAXの私は
オロオロと
目を泳がせずにはいられない。
「ねぇ、小雪ちゃん。
そんなに肩を震わせて、僕が怖いの?」
「琉衣くんって
いつも優しく笑ってるのに……
今は全然
笑ってくれないから……」
「今は、優しい僕にはなれないよ。
小雪ちゃんのこと
メチャクチャにしたくて
たまらないからね」