(琉衣くんは)極甘な国に閉じこめたい


琉衣くんは
私の唇から指を離すと

今度は、両手を壁に押し当てた。


琉衣くんの腕の中には
おびえウサギの私がいて

男らしい表情の琉衣くんの顔が
息がかかるほど近くにあって

私は、うつむくことが精いっぱい。




「小雪ちゃん、顔上げてよ」


「……無理……です」


恥ずかしすぎだし。


野獣っぽい
琉衣くんの顔なんて見たら

いつも優しい琉衣くんとの
ギャップにやられて

私、どうなっちゃうか
わからないから……




「ここは僕と小雪ちゃん二人だけの
 極甘な国なんだよ。

 大好きな子を
 とろけさせたい僕からは
 絶対に逃げられないんだよ」



凛とした声に混ざる
琉衣くんの甘い感情。


私の脳に届くたび
快感に変わってしまうから
質が悪すぎる。

< 66 / 72 >

この作品をシェア

pagetop