(琉衣くんは)極甘な国に閉じこめたい
琉衣くんは
私の唇から指を離すと
今度は、両手を壁に押し当てた。
琉衣くんの腕の中には
おびえウサギの私がいて
男らしい表情の琉衣くんの顔が
息がかかるほど近くにあって
私は、うつむくことが精いっぱい。
「小雪ちゃん、顔上げてよ」
「……無理……です」
恥ずかしすぎだし。
野獣っぽい
琉衣くんの顔なんて見たら
いつも優しい琉衣くんとの
ギャップにやられて
私、どうなっちゃうか
わからないから……
「ここは僕と小雪ちゃん二人だけの
極甘な国なんだよ。
大好きな子を
とろけさせたい僕からは
絶対に逃げられないんだよ」
凛とした声に混ざる
琉衣くんの甘い感情。
私の脳に届くたび
快感に変わってしまうから
質が悪すぎる。