幸せな離婚
「どうしてですか?」
「俺、よく不審者だとか気味が悪いと言われるので」
「そんなことありません!ただ、あまりに綺麗な顔立ちをされていたので驚いてしまって……」
「綺麗……?俺が?まさか」
男性は真っ白な歯を見せてニコッと笑った。
その無邪気な笑みに心の中がざわつく。
「俺、もう35ですよ」
「私も同い年です。ミドサーの35歳」
「えっ、昭和62年生まれ?」
「はい」
「じゃあ同級生だ。ちなみに、ミドサーってのいうのはなんですか?」
「35歳前後の人たちをミドサーっていうんですよ。ミドはミドル、サーは30代のこと」
「それでミドサー。初めて知りました」
男性が同い年と知り急に親近感が湧いてくる。
「あの、お名前聞いてもいいですか?」
「瀬戸です。瀬戸大志」
今度は名前を教えてくれた。
「私は生井優花です」
「生井さん……」
「どうかされました?」
「……あっ、いえ。ちなみに今日はどうしてここへ?」
「実はすぐそこの和菓子屋さんで水ようかんを買いにきたんです」
「あそこの水ようかんは人気だからこの時間だと売り切れてるかもしれません」
「やっぱりそうなんですね。売ってなかったらどうしようかな……」
もし売っていない場合のことも考えて義母に聞いておけばよかった。
「あそこはくず餅も美味しいですよ」
「そうなんですね」
「俺、すごい好きで、毎年夏になると必ず買いに行くんです。よかったらぜひ」
「ありがとうございます。ちなみに、瀬戸さんのお宅はこの辺りなんですか?」
話を聞くと、瀬戸さんの家が近くであることを知った。
「え!まさかご近所さんだったなんて……!」
喜ぶ私とは対照的に瀬戸さんは少し気まずそうな表情の後、そそくさと立ち上がった。
「じゃあ、そろそろ行きますね」
「本当にありがとうございました。今後はご近所さんとしてよろしくお願いします」
頭を下げると瀬戸さんは複雑そうな表情を浮かべた。
「俺、よく不審者だとか気味が悪いと言われるので」
「そんなことありません!ただ、あまりに綺麗な顔立ちをされていたので驚いてしまって……」
「綺麗……?俺が?まさか」
男性は真っ白な歯を見せてニコッと笑った。
その無邪気な笑みに心の中がざわつく。
「俺、もう35ですよ」
「私も同い年です。ミドサーの35歳」
「えっ、昭和62年生まれ?」
「はい」
「じゃあ同級生だ。ちなみに、ミドサーってのいうのはなんですか?」
「35歳前後の人たちをミドサーっていうんですよ。ミドはミドル、サーは30代のこと」
「それでミドサー。初めて知りました」
男性が同い年と知り急に親近感が湧いてくる。
「あの、お名前聞いてもいいですか?」
「瀬戸です。瀬戸大志」
今度は名前を教えてくれた。
「私は生井優花です」
「生井さん……」
「どうかされました?」
「……あっ、いえ。ちなみに今日はどうしてここへ?」
「実はすぐそこの和菓子屋さんで水ようかんを買いにきたんです」
「あそこの水ようかんは人気だからこの時間だと売り切れてるかもしれません」
「やっぱりそうなんですね。売ってなかったらどうしようかな……」
もし売っていない場合のことも考えて義母に聞いておけばよかった。
「あそこはくず餅も美味しいですよ」
「そうなんですね」
「俺、すごい好きで、毎年夏になると必ず買いに行くんです。よかったらぜひ」
「ありがとうございます。ちなみに、瀬戸さんのお宅はこの辺りなんですか?」
話を聞くと、瀬戸さんの家が近くであることを知った。
「え!まさかご近所さんだったなんて……!」
喜ぶ私とは対照的に瀬戸さんは少し気まずそうな表情の後、そそくさと立ち上がった。
「じゃあ、そろそろ行きますね」
「本当にありがとうございました。今後はご近所さんとしてよろしくお願いします」
頭を下げると瀬戸さんは複雑そうな表情を浮かべた。