【完結】好きな人と同期に挟まれました〜叶わない恋だとしても〜


 当直を終えて帰宅したのは、明け方になってからだった。

「つかれた……」

 救命はハードな仕事だから、辞めたほうがいいと聖には言われたこともあるけど、それでも私はこの道を選んだ。
 外科は教授争いだ、論文だとか争いが耐えないと噂があるし、さすがに外科のほうがハードなような気もして、私は救命を選んだ。

「……お腹空いた、眠い」

 お腹も空くし、とにかく眠い。食べたい気持ちもあるけど、とにかく寝たい。

 そして、そのまま眠りかけたその時……。
 私のスマホが大きく鳴り響いた。

「……聖?」

 ちょっと、こんな朝早くになによ……。

「もしもし……」

「もしもし、花霞?」

 ベッドに寝転がりながら、聖に向かって「こんな時間にどうしたの?」と聞く。

「いや、今日当直だったんだろ? もう家だよな?」

「うん、そうだけど……」

 なにかあったのかな……?

「今近くにいるんだ。朝飯食わない?」

 朝、ごはん……?

「朝ごはん……? 一緒に?」

「そう、ふたりで」

 朝ごはんか……。まあいいか、お腹空いてるし。

「うん、いいよ」

「じゃあちょっと、迎えに行くから出てこいよ!」

「はい?」
< 14 / 62 >

この作品をシェア

pagetop