【完結】好きな人と同期に挟まれました〜叶わない恋だとしても〜
当直を終えて帰宅したのは、明け方になってからだった。
「つかれた……」
救命はハードな仕事だから、辞めたほうがいいと聖には言われたこともあるけど、それでも私はこの道を選んだ。
外科は教授争いだ、論文だとか争いが耐えないと噂があるし、さすがに外科のほうがハードなような気もして、私は救命を選んだ。
「……お腹空いた、眠い」
お腹も空くし、とにかく眠い。食べたい気持ちもあるけど、とにかく寝たい。
そして、そのまま眠りかけたその時……。
私のスマホが大きく鳴り響いた。
「……聖?」
ちょっと、こんな朝早くになによ……。
「もしもし……」
「もしもし、花霞?」
ベッドに寝転がりながら、聖に向かって「こんな時間にどうしたの?」と聞く。
「いや、今日当直だったんだろ? もう家だよな?」
「うん、そうだけど……」
なにかあったのかな……?
「今近くにいるんだ。朝飯食わない?」
朝、ごはん……?
「朝ごはん……? 一緒に?」
「そう、ふたりで」
朝ごはんか……。まあいいか、お腹空いてるし。
「うん、いいよ」
「じゃあちょっと、迎えに行くから出てこいよ!」
「はい?」