【完結】好きな人と同期に挟まれました〜叶わない恋だとしても〜
Ⅲ.揺れる恋心
「花霞! こっちこっち」
「聖……!」
そんなことを思いながらも、聖とのデートの日が来てしまった。
「お待たせ。……待った?」
なんて恋人みたいなセリフを告げると、聖は笑いながら「いーや? 全然待ってないよ」と返してくる。
「そっか」
「……花霞、その服」
「えっ……?」と自分の着ている服に、目を向ける。
「すごい似合ってる」
「あ、ありがとう……」
普段着ないようなオシャレなワンピースを着ている私に、聖は恥ずかしそうに顔を伏せる。
「その服、俺のために選んでくれた?」
「えっ?」
そう聞かれると、ちょっと困る……。
「べ、別に……そんなんじゃ」
たまたまクローゼットから出した服がこれだっただけであって、別に聖のためじゃない。
……と言いたい所はあるけど、そういうことにしておいてあげようかな?
「ま、まあ、そういうことにしとく」
「ははっ! ツンデレかよ」
つ、ツンデレ……!? 私が!?
「ツンデレじゃない」
「いーや、ツンデレだろ」
ツンデレじゃないと言い張る私に、聖はツンデレだと返してくる。
「よし、じゃあ行くか、映画」
「う、うん」