【完結】好きな人と同期に挟まれました〜叶わない恋だとしても〜
「言っとくけど、俺はいつもおまえのこと、可愛いって思ってるから。 すっぴんでも、白衣着てても、目の下にクマがあっても」
聖からそう言われた私は、思わず聖を見つめてしまった。
「……あり、がと」
ここまでストレートに気持ちを伝えられたら、私はなんにも言えなくなる。
「俺はおまえのこと、本気だから」
本気……。その聖の気持ちは、充分すぎるくらい伝わってる。
「だから本気で、考えてほしい。俺とのこと」
「……うん」
私は何も言えず、ただ頷くしかなかった。
「次行こうか、花霞」
「う、うん」
その日一日、聖とデートして分かった。 聖は私に本気で恋をしてくれていると。
私はその気持ちを知って、とてもじゃないけど心が落ち着かなかった。
「おはよう、花霞」
「杏奈、おはよう」
「昨日、聖とデートだったんでしょ? どうだった?」
翌日、出勤した私に杏奈がニヤニヤしながら聞いてくる。
「え、どうだったって……?」
「何か進展したの?聖と」
進展……か。 したの……かな?
「何? どうかした?」
「う、ううん。なんでもない」
進展してるのかどうか分からないけど、そうなような気もする。