【完結】好きな人と同期に挟まれました〜叶わない恋だとしても〜
「で? 何か進展したの?」
「……いや、分からない」
首を傾げる私に、杏奈は「えー?分からないって何?」と問いかけてくる。
「……でも、告白は、された」
私はロッカー室の扉を閉め、鍵をかける。
「え? 告白っ!?」
杏奈はロッカー室を出ると、杏奈はびっくりしたように私を見る。
「しっ!声大きいよ!」
「やだ、ちょっと!告白されたの!?」
「う、うん。本気、だからって」
あの時は本気に驚いたし、本当にどうしたらいいか分からなかった。
なんて答えるのが正解なのか、それすらも分からない。
「もう!やるじゃん、聖! ついに同期の壁を超えたか!」
「……なんか杏奈、嬉しそうじゃない?」
杏奈はニヤニヤしている。
「そりゃあね! 私はアンタたちの恋を応援してるからね」
同期の壁、か……。
「聖、いいと思うけどね?私は。アンタに相当惚れ込んでるみたいだし」
そう言われると、心が揺れるのが分かる。
「……本気で考えてほしいって、そう言われた」
「この際、本気で考えてみてもいいんじゃない? アンタもそろそろ、恋したほうがいいと思うよ?仕事仕事じゃ、息抜きしづらいでしょ?」
うーん……。そうなのかな?