【完結】好きな人と同期に挟まれました〜叶わない恋だとしても〜
Ⅳ.これは運命なのか、運命じゃないのか。
あれ……? なんで、綾浜先生なんだろう?
どうして、先生の顔が浮かぶの……?
ーーー私、どうかしてる?
「志倉、急患が来る。行くぞ!」
「あ、はい!」
その後もなぜか、私は先生のことばかりを考えているような気がしたーーー。
✱ ✱ ✱
「お疲れ、花霞」
「……聖?」
十九時になり、退勤した私に聖が声をかけてくる。
「どうした?」
私を顔を見て、聖はそう問いかけてくる。
「……え? 何が?」
「おまえ、なんかあった?」
聖は私をよく観察しているのか、私の隣に座ってくる。
「なんで、そう思うの?」
「なんとなく。 なんか、悩んでるのかなって思って」
悩んでる? 私が……?
「悩んでは……ないと思う」
「本当に?」
本当に? そう聞かれると、自信ないかも……。
「本当に……多分」
「……もしかして、好きな人でも出来たのか?」
そんな真剣な眼差しを向けてくる聖に、私は思わず「えっ……?!」と聖の顔を見る。
「冗談だよ。おまえ、恋愛とか興味なさそうだもんな。……あの時の返事、俺まだもらってないし」
あの時の……。あっ、しまった!
わ、忘れてた……。