【完結】好きな人と同期に挟まれました〜叶わない恋だとしても〜

 
「サンドイッチか……。いいな」

 サンドイッチ、食べたくなったな。

「後で買いに行こうかな」
 
 なんとなく聖にも教えてあげたいと、スマホを片手にメッセージ画面を開く。

【この前一緒に行ったサンドイッチのお店、テレビで紹介されてたよ】

 送信した後、すぐに既読がついた。

「はやっ……」

 え、もう起きてるの? そっか、昨日当直って言ってたっけ……。
 じゃあ、起きてるか。

【それ俺も見た。びっくりだよな!】

 なんだ、聖も見てたんだ……。なら教えてあげなくても良かったかな。

【見てたんだね、聖も】

【たまたまな】

 聖とは同期ということもあり、なんでも話せることが多い。 でも唯一、話せないことがあった。
 それが恋の話だ。 聖に恋の話も相談出来たら、良かったのになあなんて思ったけど……。

 今は気まずくなりそうだから、話せそうにない。

【当直、お疲れ様。ゆっくり寝てね】

 返信をしてスマホを閉じると、再びコーヒーを口にする。

 ふと思うのは、聖はいつから私のことが好きだったのか、という疑問だ。
 聖と出会った頃は、聖は何を考えるのか分からなくて、掴めない男だなって思ってた。
< 41 / 62 >

この作品をシェア

pagetop