【完結】好きな人と同期に挟まれました〜叶わない恋だとしても〜
Ⅵ.エピローグ
先生にそう問いかけられ、私はすぐに「違います」と否定した。 でも先生は……。
「正直に言ってくれないか? 俺は……おまえの本当の気持ちが知りたい」
私の……本当の気持ち? もうそんなの、どこにもない。
私が好きなのは、聖だから。 私が本当に幸せになりたい人と思う人は……聖だよ。
「……私は、もう先生のことなんて」
そう、私はもう先生のことなんて好きじゃない。
「そうか。……好きじゃないか」
「……はい」
でも私は見てしまった。先生のその悲しそうな瞳(め)をーーー。
「俺、おまえにまだ言ってないことがある」
「……言ってないこと?」
その言葉をなぜか、聞きたくないとさえ思ってしまう。
聞いてしまったら、後戻りは出来ないような気がした。
「俺も、おまえが好きだった」
先生から出た言葉は、まるで信じられなかった。
「……今、なんて?」
「好きだったよ、おまえのこと。……今でもずっと、忘れられない大切な存在だ」
きっとこの言葉は……ウソだよね? 先生も、冗談を言っただけだよね?
「……先生、今のは冗談ですよね?」
「本気だよ」
本気だって聞いて、思わず俯いた。