色褪せて、着色して。~悪役令嬢、再生物語~Ⅰ
 食事を終えた後、ショッピングモールへ行って色々と店をぶらついて。
 テイリーの私服を買い揃えようと沢山の洋服を物色した。
 そこで、私は新たなる衝撃の事実を知る。
貴女(あなた)、俺のことダサいって思ってません?」
「え、ダサいでしょ?」
 キャラクターもののTシャツを眺めながら私が言うと。
 テイリーは不敵に笑った。
「あれは、仮の姿です」
「えっ!?」

 試着室へ行って、テイリー自らが選んだ服を着たのを見た瞬間。
 …また、騙されていたのかと落ち込んだ。
 量産品と思われるペラッペラのTシャツに半ズボン姿のテイリーとは違って。
 試着室から出てきたテイリーは紳士だった。
 Tシャツ、チノパン。帽子にしてもアクセサリーなどの小物にしても。
 どれを選んで着たら、似合うかというのがよくわかっている。
 近くにいる店員さんが「おお」と小さく拍手する。
 ああ、出会って5年。
 なんで、こんなにコイツのこと知らないのだろう。
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