White Snow
ポン。
ふと頭に何かが当たった。
見上げると、大きな手が私の頭をポンポンと、優しく撫でていた。
手の主を見ると、それは前野君だった。
どうして、頭をなでられているのだろう?と小首を傾げる。
「どうしたの?」
と尋ねると、前野君は少し困ったように微笑んで、私の頬を掌で優しく擦った。
「泣いてるから」
「え」
私は自分が泣いていることに気が付いた。
「なにこれ?」
目からぼろぼろと無意識に溢れている涙に自分でも驚く。
「私、泣いてる?」
「うん。ぼろ泣きしてる」
「どうして?」
「ん?」
今度は背中を優しく摩った。
あ・・・。これ、知ってる。
前にクリスマスツリーを見ているときに背中をさすられたな、と思い出す。
「今、私、すごく悲しい気分なんだ。もうね、すごく悲しいなって思ったの。だから泣いちゃってるのかな」
「他人事みたいだよ」
「私のことなんだよね」
「うん、そうだね」
松本さんたちにおしぼりをもらって濡れた手や顔を拭いた。
「私、私・・・・ふええ」
俯き、両手で顔を覆って泣いてしまった。
とめどなく溢れてくる涙を止めることはできそうにない。
彰は私の隣にはもういない。
泣いている私の隣に来てくれることもない。
ああ。
本当に終わったのだと、私の胸がぎゅうっと締め付けられる痛み。
前野君はしゃがんで、泣いている私の背中を優しく擦り続けていた。
私はその温かさにまた涙が溢れてくるのだった。
ふと頭に何かが当たった。
見上げると、大きな手が私の頭をポンポンと、優しく撫でていた。
手の主を見ると、それは前野君だった。
どうして、頭をなでられているのだろう?と小首を傾げる。
「どうしたの?」
と尋ねると、前野君は少し困ったように微笑んで、私の頬を掌で優しく擦った。
「泣いてるから」
「え」
私は自分が泣いていることに気が付いた。
「なにこれ?」
目からぼろぼろと無意識に溢れている涙に自分でも驚く。
「私、泣いてる?」
「うん。ぼろ泣きしてる」
「どうして?」
「ん?」
今度は背中を優しく摩った。
あ・・・。これ、知ってる。
前にクリスマスツリーを見ているときに背中をさすられたな、と思い出す。
「今、私、すごく悲しい気分なんだ。もうね、すごく悲しいなって思ったの。だから泣いちゃってるのかな」
「他人事みたいだよ」
「私のことなんだよね」
「うん、そうだね」
松本さんたちにおしぼりをもらって濡れた手や顔を拭いた。
「私、私・・・・ふええ」
俯き、両手で顔を覆って泣いてしまった。
とめどなく溢れてくる涙を止めることはできそうにない。
彰は私の隣にはもういない。
泣いている私の隣に来てくれることもない。
ああ。
本当に終わったのだと、私の胸がぎゅうっと締め付けられる痛み。
前野君はしゃがんで、泣いている私の背中を優しく擦り続けていた。
私はその温かさにまた涙が溢れてくるのだった。