うさぎ系女子はライオン系男子に翻弄されて

そういった瞬間、服部くんはわたしに抱きついてきた。


「え?は?ひゃ?」


あまりの出来事に、頭がパニックになる。

嗅いだことのない、さわやかなにおいがする。


「東雲さん、天然だよね」


「へ…?」


「俺、東雲さんと友達になったとは思ってないんだけど」


え?

友達じゃ、ない?

わたしは、とんでもない早とちりをしていたの?



「第二ボタンをあげた意味、わかる?」


「第二、ボタン……?」



そういえば、お姉ちゃんが嬉しそうに言ってた。
彼氏が、卒業式で、学ランの第二ボタンをくれたって。


でも、だからって…服部くんは、彼氏じゃないよね…?



「はっきり言わないで渡してごめん。これは、」


目が合う。
服部くんの切れ長の目に、心をつかまれた気がした。


「これは、『好きです』って意味のプレゼント」
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