うさぎ系女子はライオン系男子に翻弄されて
こうしてわたしは、服部くんとお友達になりました。
今日も、屋上でお昼に誘われた。
服部くんは、女の子にうける話題とか、雰囲気を持っているから、コミュ力のないわたしでも、気持ちよく話せる。
「服部くんはさ、、」
「ちょっと待って。その呼び方やめようよ。友達なんだから」
「呼び方?」
今日は、なにやら服部くんの顔が真剣だ。
「獅子、って呼んでよ。俺も、宇佐って呼ぶ」
「しし、くん…」
「もう一回」
「獅子くん…」
ふふっ。
服部くん、いや、獅子くんが、嬉しそうに笑った。
屋上にいるときの獅子くんは、なんだか教室にいるときと雰囲気が違う。
たとえるなら、
教室にいるときは王子様。
そして、屋上にいるときは、ライオンだ。
「名前で呼んでほしかった、ずっと」
こうやって、ドキッとするようなことも言うんだ。
「わたしも、獅子くんに名前で呼んでもらえるなんて、変な気持ち」
「なにそれ」
獅子くんはまた笑う。
そう、屋上にいるときの獅子くんは、よく笑う。
「獅子くん」
「うん?」
「獅子くんは、どうしてライオンになるの?」
言ってから気が付いた。
なんだ今の聞き方!恥ずかしい。やり直したい。
「ライオン?」
「その、、あの。屋上にいるときの獅子くん、ちょっと違うから」
「そっか、それでライオンね」
また笑う。
獅子くんの笑い方、好きだ。
「それなら宇佐は、ウサギだね。」