うさぎ系女子はライオン系男子に翻弄されて

今日は玲と日直だから、二人で黒板を拭いていた。



「ねえ、まじでさ、服部がしつこすぎて困ってるとかじゃないのね?」

「そんなことない」

「そう?それなら、まあ、いいけど」


夕日が玲の顔を照らした。
こうしてみると、玲って色素が薄くてきれいな顔してる。
服部くんはライオンだけど、玲は…そう、チーター的な?



「わたしは、獅子くんに迷惑をかけたくなくて」


そう。レンアイのこと、何も知らないわたしは、獅子くんには釣り合わないから。


「お前…。名前で呼びあってんの?」

「そうだよ?」

「はあ。そんなに仲いいんじゃん。もう服部がかわいそうだわ」


服部くんがかわいそう?
わたし、ひどいことしちゃったのかな。友達になるのって、そんなにいけないことだったのかな。

うつむくと、玲が慌てた。


「いや別に責めてるわけじゃないから。でも、、、」

「さすがに今のままじゃだめだから、俺が恋愛って何か、宇佐に教えてやるよ」



目が合う。玲の真剣な顔。


教える…?
玲がわたしに。
レンアイを。


玲が、教えてくれるなら。ちょっとは服部くんに、素敵なことができるようになるかもしれない。



「…教えてくれる?」


わたしが言うと、玲は少し驚いて、顔を赤くした。色白な玲は、すぐ赤くなる。
そういうところ、幼稚園の時から変わってない。


「(純粋すぎんだろ…)」

「なんて言った?」

「なんでもない。じゃあ、さっそく明日から始めるぞ」

「はいっ!」


こうして、わたしの「恋愛を知る」特訓が始まりました。
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