うさぎ系女子はライオン系男子に翻弄されて
March(獅子side)
今日は、晴れ。
よっしゃ。
ひとりでガッツポーズをする。
だって、屋上で弁当を食えるから。
イコール、うさぎと話せるから。
宇佐は正直、クラスではあまり目立っていない女子だ。
でも俺は知っている。
宇佐が、とんでもなくかわいいってこと。
顔が実はめちゃくちゃかわいいところ。
男経験が少ないから、ピュアすぎるところ。
ときどき変なことを口走っちゃうところ。
全部が俺にささって、まじでめちゃくちゃ好きになった。
宇佐は俺のことをライオンっていうけど、自分でもわかる。
宇佐を前にすると、自分のものにしたい欲がすごくて、止められないんだ。
クラスにいるときと全然違うな、俺。
っていつも感じてる。
でも俺、浮かれてた。
宇佐に告白したときは、すぐ付き合えるって思ってた。
告白されることしかなくて、緊張したけど、でも俺、けっこうモテるし、いけるかなって。
でも、宇佐に「友達から始めさせていただきたく」宣言をされてからはや一か月。
まだうさぎのことを捕まえられないでいる。
あんなに芯の強い女子だったんだ、って驚くと同時に、
惚れなおしてもいる。
狩猟本能が掻き立てられる感じだ。
宇佐は、俺のことをどう思ってるんだろう。
宇佐は、宇佐は、宇佐は。
最近の俺は馬鹿みたいだ。