うさぎ系女子はライオン系男子に翻弄されて
通学路に出て、宇佐の姿を探してしまう。
宇佐はいつも、もっと早く来て本を読んでいるから、いるはずがないんだけど。
俺の頭の中は宇佐ばっかりだから…
って。
いる。
宇佐がいる。
視線の先、校門の少し手前に、ツインテールの小柄な女子がいる。
宇佐だ。
でも待てよ。
噓だろ?
頭が真っ白になった。
宇佐が、男と手をつないでいる。
しかもなんか、二人とも顔赤くね?
距離近。
なにあいつ。
嘘だ嘘だ嘘だ。
あのピュアな宇佐が。純粋無垢すぎて心配になる宇佐が。
俺以外の、他の奴と、付き合ってるわけない。
そこまで思って俺は立ち止った。
今俺、なんて?
「俺以外の、他の奴と、付き合ってるわけない。」
笑ってしまう。
だって俺と宇佐は、まだただの弁当仲間。
付き合ってもいない、「他の奴」とか言う権利もない、ただの。
気づいたら、宇佐に見つからないように、裏道に向かってる俺がいた。
宇佐の隣の男を、確認することもせず。
俺らしくもない。
ライオンじゃなかったのかよ。
くそ野郎。