うさぎ系女子はライオン系男子に翻弄されて
だってその人は、

切れ長の目が優しくて、とび色の髪の毛と鼻筋が美しい、
学校一イケメンでモテモテの王子様、服部 獅子(はっとり しし)くんだったから。
地味なわたしでも知っているぐらい、彼は有名だ。
誰にでも優しくて、頭もよくて運動もできる、ザ・王子様。

「あわわわわわ、、わたしなんかの髪が…」

王子様にわたしなんかの髪の毛が絡んだなんて、罰が当たりそう!
恥ずかしさと申し訳なさで、顔がほてる。

震える指で髪の毛を外そうとするけど、わたしの癖毛はなかなか取れない。

どうしよう、絶対目立ってる。
王子様と地味女子が廊下で密着してるんだもん。そりゃ見られるよね。

泣きそうになったその時、



ふわり。

わたしの頭が、学ランの胸にうずめられた。

「もう少し静かなところに行って、そこでゆっくり外そ。」

え?

なにこれ、

わたし…


王子様に、ハグされてる?!
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