うさぎ系女子はライオン系男子に翻弄されて
「でもね、宇佐」
「うん」
あすちゃんがわたしの手を取った。ぬくもりが伝わる。
「相手はあの、女の子にやさしい獅子くんだよ。わたしなら引くけど、彼ならきっと、引いてないよ」
「そうかな?」
「うん。獅子くんのやさしさと言ったら他校にも有名なんだよ」
他校にも…。あのルックスに、そんなやさしさがついてきたら、そりゃそうか。
「どうしたらいいの?」
「話しかけるっきゃない!」
「できるかな?」
「できる!!」
バシン!
あすちゃんの馬鹿力が、わたしの背中をたたいた。
ジンジンするけど、その痛みが元気づけてくれる気がした。
「あすちゃん、ほんとありがとう」
「いいってことよ!」
明日、話しかけてみよう。
そして…。
王子様、、いや、服部くんと、友達に、なれるといいな。