HANA
「たしかねー、『デロン』て成分が胸に効くんだって。
いかにも大きくなりそうな名前じゃね? デロン、デローンって」


「ちょ、なにそれウケる。頑張れー、あたしのデロンー」


でろーん、でろーん、とヒカリとキョウコが互いの胸に手をあててはしゃいでいるのを見て、私は深くため息をついた。


彼女たちのような半端な知識のひけらかしが一番頭にくる。


「それ言うなら『ボロン』でしょ! 何よ、デロンデロンて、馬鹿みたい」


一瞬黙った後、二人は同時に口を開いた。


「ハナ、めっちゃ詳しいじゃん」


私はひどく赤面した。
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