HANA
No.2
 部屋に戻ると、案の定あの曲が大音量で流れていた。丁度後半のサビである。このメンバーでカラオケに行くと、ラストはこの曲でシメるという暗黙のルールがいつの間にか出来ているのが迷惑千万だが、無論そんなことはおくびにも出さぬ。

 今日も歌ってやろうじゃんか、ドリンクついでにフロントで借りたタンバリンを握りしめる。ハナがタンバリン持ってきてるー、超やべー、と笑い転げているキョウコの付けまつ毛がズレているが、教えてやらないことにする。


 
 深呼吸。さあ、ブリーフ・アンド・トランクスで「ペチャパイ」どうぞ!
< 2 / 12 >

この作品をシェア

pagetop