優しい微笑みに騙されて
咲の力強い言葉に私達は一斉に頷いた。ふと、窓の外から見た景色に絶句する。

人が大量に倒れていた。

血まみれで、何人もが。さっき、私達を襲おうとした男子達も倒れている。既に、大半の生徒が、殺すのを躊躇わなくなっている。そう感じた。
「流石に、やばいね」
尋が珍しく、そう弱音を吐く。
「おい、そういえばこの第1ゲームっていつ終わるんだ?」
咲がふと気がついたかなようにそう呟いた。その通りだ。私達は、このゲームがいつ終わるのかを知らない。その時だった。

[第1ゲーム終了〜☆]

いきなり大音量のアナウンスが入る。終了。その言葉にひどく安堵する。

[また、最初の場所に集合してね☆今から人を殺した人はルール違反だよ☆]

ルール違反。つまり、今は外を歩いても問題無さそうだ。私達はとりあえず建物から出て行った。
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