優しい微笑みに騙されて

#5

◆ ◇ ◆

「さあ☆そろそろ第2ゲームを始めるよ☆」
仮面をつけた男のハイテンションな声が響き渡る。こんなゲーム、くそくらえだ。私、月白咲は拳を握りしめる。さっきだてあの男が、ゆかを気絶させてから帰ってきた。それに、一緒だったあの青銀髪の男、レンだっけ？もかなり不気味だった。私達5人の誰にも気づかれないように背後に回る。相当な訓練をしないと出来ないことを、当たり前のように平然とやっていた。そして、仮面男がレン様と、敬称を付けて読んでいたから、きっと…。あのレンという男がゲームの黒幕。
(あいつさえいなければ、ゆかが…私たちがこんな目に会うことはなかったのに)
許せないという感情が沸々と湧いてくる。抑えないとな。あまり感情を暴走させてもいいことがない。今は目の前のゲームに集中し、絶対にあのレンっていう男を追い詰めてやる。
「第2ゲームは、グループ全員でのムカデ競争☆」
仮面男のその言葉に周りがざわつく。当たり前だ。ムカデ競争など、"不平等すぎる"第1ゲームで人数が減ったグループほどやりやすくなる。そんなの不公平だ。
「勿論、ただのムカデ競争じゃないよ☆第1ゲームで使った銃で、攻撃しながら攻撃を避けながら走り切るんだ☆」
また殺し合いをしなければならないらしい。面倒だな。
「まあ不平等だからね☆勿論、人数が少ないグループは後からスタートしてもらうよ☆それと…」



「今回のゲームは罰ゲーム付きだ。一度も誰かに発砲をしなかったチームは全員失格☆」



「なっ………‼︎」
みんなが驚きの声を隠せていなかった。かくある私もそうだ。そんなの、理不尽すぎるだろ。そんなことをしたら、確実に人数が大幅に減少する。

「さぁ☆ゲームの始まりだよ☆」

各チームに足を結ぶようの縄が渡されてから、その声が会場内に響き渡る。絶対に、生き残らないと。誰も殺さずに生き残る方法をみんなで考えるんだ。