優しい微笑みに騙されて
「流石に、誰かを殺すのは嫌だよね」
縄で足を結んでる時、尋がそう呟く。私も全く同じ考えだ。
「ねえ、仮面をつけた男はさ、誰かに発砲をしなかったチームって言ったよね…?」
ゆかが何かを考えているような表情でそう呟く。何を言うつもりなのか、少しだけ予想が出来た。確かに、その通りだ。
「殺さなくても、発砲すれば良いんだよね…」
きっと、殺さなければいけないのなら、殺せと言うはずだ。それをわざわざ、誰かに発砲をしなかったチーム。と言った。これだけで気がつくべきだったのかもしれない。さすがゆかだ。
「なるほど。それは一理あるな。早く気づくべきだった。人を狙ったように見せながら、綺麗に外す。この作戦でやっていこう」
馨のその言葉に全員が頷く。きっと私達のグループはどのグループよりも団結力は高い。そう思っている。それに、一人一人の能力に優れていた。競争自体での心配は、あまりする必要はないだろう。
「絶対に、誰も殺さず、誰も殺されずにクリアしよう」
私のその言葉にみんなが力強い頷いてくれる。大丈夫だ。このグループなら、クリアできる。
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