優しい微笑みに騙されて
◆ ◇ ◆
「ゆ………ん‼︎…か……ん‼︎ゆか……ん‼︎ゆかちゃん‼︎」
るなの声でハッと目を開ける。見慣れない、広い、何もない空間だった。周りには、学校の全校生徒だと思われるくらいの人数がいる。私の周りには心配そうに、幼馴染全員がいた。
「良かった。ゆかちゃんだけが、中々目覚めないし、ずっとうなされてたから」
“うなされてた”?ということは、レンさんのは、夢だったのだろうか。だろうかじゃない。そう信じよう。あれは夢だ。現実じゃない。これが現実逃避というのか、自己暗示というのかはわからないけど、今はそう思うのが1番楽になれる。

「キャハハ☆全員お目覚めのようだし始めようか☆」

突然、薄暗い空間の一部分だけ明るくなる。そこには、不気味の仮面を被った男が立っていた。始める?何を?

「かんったんに説明するね☆君たちは今から命懸けのゲームをやってもらうよ☆ルールはそのゲームによって違うけど、とにかくグループで人を殺し合うだけ☆簡単でしょ☆」

不気味な男はそう言う。殺し合い⁉︎サラッと、尋常じゃないことを言っている。流石に、やばいんじゃないかな。この状況。

「最後まで生き残ったグループには、良いことがあるかもね☆」

そう言うということは、きっとこのゲームは…






1グループ以外の全グループが消滅するまで続く






「ゆ、ゆかちゃん…」
るなは心配そうに私にしがみつく。



不気味な男はそれを楽しそうに眺めると叫んだ。


「さぁ‼︎恐怖に溺れ怯えて朽ちろ☆雑魚どもが☆」


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