王様に逆らった時【完】
彼は王様
朝8時。
家の前に出ると幼なじみの想ちゃんが、待っていてくれている。
「想ちゃんおはよっ」
朝はなるべく笑顔で挨拶することを心がけている。
でも想ちゃんは、真顔で私に鞄を渡して先を歩いて行ってしまう。
…今日も想ちゃんのカバンは重たい。
私の名前は立間さくら、高校一年生。身長153センチと小さめで、性格は昔から人前に出ることが苦手。
見た目だって、変わることのない黒髪おさげヘアーに、目までかかっている前髪、長いスカートの丈、すごく地味だと思う。
そして私と毎日一緒に登校しているのは、隣に住む一つ年上高校2年生の幼馴染。
筧想太、通称想ちゃん。
凛としたお顔に、長いまつ毛、きめ細やかな肌に、すらっと高いお鼻、形の良い唇をお持ちの超イケメン。
身長は178センチ、その身長を活かしてバスケ部のエースをしている。
そんな想ちゃんはファンクラブがあるほど、モテモテで友達も多い。
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