王様に逆らった時【完】
「輝明。てめえ、殺されてえのか。」
殺気立った想ちゃんの顔。
そんなに私ここへ来ちゃダメだったんだ。
「ちげーよ!幼馴染なのに今まで見にきたことなかっただろ?だから見て貰えばいいじゃんと思って!」
輝明?先輩は安定してニコニコしている。
「…余計なことしやがって。」
大きなため息。
…すごくイライラしてる。
怒ってるのに、汗がキラキラしててかっこいいとドキドキしてしまう私は重症かもしれない。
「お前もなんでノコノコ着いてくんの?」
次に白羽の矢が立ったのは私だった。
想ちゃんからの冷たい視線が注がれ、体が縮こまる。
ああ、やっぱり来なきゃよかった。
「ご、ごめん。…やっぱり私帰ります。」
くるっと振り返って、体育館を出ようとする。