王様に逆らった時【完】
午後6時、周りも暗くなり始めた頃、想ちゃんの部活が終わった。
着替え終わるのを待ち、二人で並んで家に向かって歩く。
…もちろん、想ちゃんのカバン持ち。
まあそれくらいしか役に立てないもんね。
「お前なんで今日来たわけ?」
睨むような視線。
…ずっと怒ってる。
「み、見てみたかったから…」
実際見に行って、とてもカッコよかったし、楽しかった。
「…はぁ、迷惑なんだけど、」
逸らされる視線。大きなため息。
また胸がギュッと痛くなる。
…そんなに私のこと嫌なんだ。
「ご、ごめん。…もう見に行かないから。」
泣きそうになるのをなんとか堪えながら歩く。
一緒に帰れて、部活も見れて幸せなんて考えてた私がバカみたい。
もっと考えて行動するべきだったんだ。