王様に逆らった時【完】
「そうして。…あともう学校でも話しかけんな。」
衝撃の一言。
…今までそんなこと言われたことなかったのに。
「え、ど、どうして?」
目の前が真っ暗になる感覚に陥る。
「…周りが騒いで迷惑だから。」
その視線が突き刺さって、反論できなくなる。
「……わかった。」
潤む目を誤魔化すように、想ちゃんと反対の方を向いて歩く。
…調子に乗りすぎて怒らせちゃったみたい。
「学校に行くのも別なの?」
「は?それは今まで通り。……じゃなきゃ誰が俺の荷物持つんだよ。」
そうだよね。
私は想ちゃんのパシリだもんね。
…そもそもこの高校に通うことになったのだって、想ちゃんのせい。
私の進路希望用紙を私の見てないところで、想ちゃんが書き換えて、それに気づかず提出したのがこの高校に入学した理由。
…本当は男の子と話すこととかあまり得意じゃないから、女子校に行く予定だったのに。
昔から王様の想ちゃんはきっとパシリの私をそばに置いておきたくて、自分と同じ高校に通わせたんだろう。
…偶然まきちゃんと同じ高校だったからいいんだけど。