王様に逆らった時【完】


ぼーっとただ想ちゃんを見つめる。



「さくらっ!危ない!!」



「へ?」



ドンーーー



まきちゃんのその焦った声が聞こえた時にはもう遅かった。



衝撃で床に倒れ込む。


弾むボールの音。



「っ、」



バレーボールが私の方に飛んできて、足のふくらはぎあたりに当たってしまったみたい。


鈍い痛みが走る。


「さくらっ、大丈夫?」


まきちゃんが切羽詰まった顔でこちらに来てくれる。



周りの人たちも心配して、駆け寄ってきてくれる。



「だ、大丈夫だよっ!」



少し痛むけどこれくらい大丈夫だよね。


「保健室行こう。」




「大丈夫だよ!これくらい。」



痛かったのは当たった時だけだったし。



「ごめんね、大丈夫だった?」


駆けつけてきてくれたのは、おそらくボールを打った男の人。



あまり見たことない人だから、先輩かな?


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