王様に逆らった時【完】
「あ、大丈夫です!私の方こそ、避けれなくてすみません。」
先輩を安心させるためにニコッと微笑む。
想ちゃんばっかり見てたからバチが当たったのかな。
「っ、」
みるみるうちに真っ赤になる先輩の顔。
…だ、大丈夫かな?
先輩の方こそ体調悪いとか…?
「俺のせいだし、保健室連れて行くよ。立てそう?」
優しく手を差し伸べてくれる先輩。
その手をとって立ちあがろうとした時。
「おい。」
「っ、筧?」
想ちゃんは、先輩の手を振り払った。
突然の登場に開いた口が塞がらない。
…さっきまで試合してたのにいいのかな?
もしかして心配してきてくれた?
なんて淡い期待を抱いてみる。
「保健室は俺が連れて行く。」
無表情でそういう想ちゃん。