王様に逆らった時【完】
グッと足に力を入れて、立ちあがろうとする。
「い、っ」
…くるぶしの当たりが痛くて立てない。
痛くて、涙が出そうになるのを堪える。
「ほらな。」
言わんこっちゃないと分かりきってたかのような想ちゃんの顔。
「だいぶ強く当たってただろ。」
ぽつりとつぶやいた想ちゃんの言葉。
…ってことは想ちゃんも私のこと見てくれてたってこと?
当たった瞬間を見てないとそんなこと言えないよね。
…嬉しいな。
ついにやけてしまいそうになる。
そんなことを考えていると体が宙に浮いた。
「っ、」
想ちゃんにお姫様抱っこされている。
体育館みんなの視線が集まり、女子からは黄色い悲鳴が聞こえる。