王様に逆らった時【完】
プールはすごく広くて、流れるプールや波のプール、ウォータースライダー全部遊んでいるうちにお昼になった。
「疲れたー。」
まきちゃんがテントの中で項垂れる。
結構遊んだもんね。
私もちょっと疲れたなぁ。
「腹減ったから昼飯にしようぜ。」
男子の声でみんながお昼ご飯を買うため売店へ行く。
まきちゃんに焼きそばだけお願いして、私は荷物番で残ることになった。
「立間さん、あんまり話したことなかったよね?」
もう一人荷物番として残ってくれたのは、クラスでも人気者の佐久間くん。
…男の人と二人きりなんて、想ちゃんとお父さん以外ないからすごく緊張する。
「…う、うん。」
つい表情がかたくなってしまう。
「俺の名前知ってる?」
ニコッと効果音がつきそうなほど爽やかな笑顔。
佐久間くんはたしかサッカー部でいつも周りにはたくさんの人がいる。
顔もカッコよくて、モテモテ。
「わ、分かるよ。佐久間くんでしょ?」
「そう!知ってくれてるんだ嬉しい。」
嬉しそうに微笑む佐久間くん。
…眩しいです。
「いつも目立ってるから…」
「それはいい意味?」
少し難しそうな顔をする佐久間くん。
…悪い意味なんてあるのかな?
モテモテでかっこよくて目立ってるって意味なんだけどな。
コロコロ表情が変わる佐久間くん。