王様に逆らった時【完】
やっぱり短い方が可愛いし、私だって変わりたい。
「は?」
「ダメ、かな?」
「だめに決まってんだろ。」
ああ、この目だ。
私が何か口答えをしようとすると、見下してくるこの目。
「で、でも、短い方が可愛いしっ、」
「可愛くなってモテたいんだ?」
馬鹿にしたような目。
「…そういうことじゃないけど、」
想ちゃんの隣に並ぶにふさわしい女の子になりたい。
「なら、そのままでいいじゃん。」
「でもっ、」
「俺の言葉聞こえなかった?そのままでいーんだよ。」
反抗なんてできない。
嫌われたくない。
スカートが長いのも、前髪を切らせてくれないのも、髪の毛を毎日おさげにくくっているのも、全部想ちゃんの指示。
王様には逆らえない。