王様に逆らった時【完】


…すごく驚いた顔をしている。



そりゃそうだよね。だって想ちゃんの部屋に来るのは小学生ぶり。



それくらい緊急事態なんだ。



「…昨日怖い夢見ちゃってね…、寝れなくて…」



藁にもすがる思い。




「お母さんとお父さんは?」




「二人で結婚記念旅行行っちゃっていないんだ…」



私一人っ子だし、頼る人もいない。



今日に限って家に一人きりだった。




「だ、だから、一緒に寝てくれない…?」




「…は?…絶対いやだ。」



嫌悪感を露わに顔を歪ませる綺麗な顔。



「ど、どうしてもダメっ…?」



…一人で寝るなんて無理だよ。



これでも頑張って一人で晩ご飯食べて、お風呂だって入ったのに。



「…わかったよ。ただし俺の部屋な。」




「うんっ!」



やった!
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