王様に逆らった時【完】
想ちゃんは床に布団を敷いて寝て、私はベットを使わせてもらっている。
秒針の音がやけに大きく聞こえる部屋。
…やっぱり寝付けない。
「…そ、想ちゃん、起きてる?」
「…寝てる。」
ぶっきらぼうなその声。
「起きてるじゃん!」
どうしてそんな意地悪するの。
「なんだよ、」
小さく聞こえるため息は聞こえないふりをした。
…だって怖くて眠れないんだもん。
想ちゃんの香りがするこの空間はすごく落ち着くけど。
「…そっち行っていい?」
「ダメ。」
こう言う時だけすぐに返ってくる返事。
「で、でも怖くて眠れないよ…」
…泣きそうになって来た。
「…一緒に寝たい。」
泣きそうになりながらぽつり呟いたその言葉。
「はぁ、一緒に寝てるだろ。」
「同じ部屋で寝てるだけだもん…」