王様に逆らった時【完】
「ねぇ、ダメ?」
「はぁ、もういい。来れば。」
暗闇の中、背中しか見えない想ちゃんが、被っている布団を広げてくれているのがわかった。
「やったぁっ、」
すぐさまベットから飛び降りて、広げてくれている布団の中に入っていく。
入った瞬間感じる想ちゃんの体温。
…すごく安心する。
「っ、」
想ちゃんの体がビクッと動いた気がしたけど、大丈夫かな?
…暖かい体温に嬉しくてついニヤニヤしてしまう。
「想ちゃんとこうして寝るの久しぶりで嬉しい。」
小学生ぶり。
昔はこうやっていつも寝てた。
「…あっそ。」
「想ちゃん、暖かいねっ、」
さっきまで感じてた恐怖心はどこへやら、想ちゃんの安心感は本当にすごい。
小さい頃に戻ったみたいで嬉しくて、想ちゃんの背中に手を回す。
「おま、何抱きついてんだよっ」
安心した途端なんだか眠たくなってきた。
「…そ、ちゃ…」
「(寝てる。……まじかよ。)」