王様に逆らった時【完】
急いで準備を済ませて、リュックを背負って家を出ると、もうすでに想ちゃんは家の前に立っていた。
眠たそうにあくびをする想ちゃんの姿に罪悪感が湧く。
いつも通り想ちゃんのカバンを持って、半歩後ろを歩く。
「本当にごめんね。私のいびきがそんなに大きかったなんて…」
「あれは俺以外の前では寝れないな。」
「…うん。寝ないようにするね。」
ショックだな…そんなにうるさいなんて。
「ふっ、従順かよ。」
笑われてしまったけど、そんなにうるさいなら他の人の前では眠れないよね。
…想ちゃんの前ですら寝るのは恥ずかしいかもしれない。
「カバン。」
落ち込んでいると知らない間に学校についていたみたいで、想ちゃんは私からカバンを奪ってスタスタ先を歩いて行ってしまう。