王様に逆らった時【完】
「…ご、ごめん。今日はお礼だもんね、動物園は違うよね!」
そうだよ。私が想ちゃんに対してのお礼なんだから、動物園なんてダメじゃん。
もっとショッピングモールとかで、ご飯ご馳走するとか?
「別に、動物園でいい。…行きたんだろ?」
「…うん!」
いつも以上に優しい表情をしている気がして、自然と私も笑みが溢れる。
…こんなに柔らかい雰囲気の想ちゃん久しぶりですごく嬉しい。
「行くぞ。」
せっかくの部活オフの日を私と過ごしてくれるんだし、私が想ちゃんを楽しめなきゃ!
30分ほど電車に揺られて、ついた動物園。
休日だし、トラの赤ちゃんの効果も相まってか、わりと混雑していた。
券売機には長蛇の列。
…こんな列に想ちゃんを並ばすわけにはいかない!