王様に逆らった時【完】
王様へは言えないまま…
9月も中旬。
来月は文化祭。
「はい!ではシンデレラ役を決めたいと思います!」
私たちのクラスではシンデレラの劇をすることに決まっている。
学級委員長が意気揚々と教壇の上に立つ。
「はいはい!!俺推薦したい人がいる!」
佐久間くんが大きな声を出して手を上げる。
「お!誰?!」
「立間さんを推薦します!」
その声にクラス中が静けさに包まれる。
「え、わ、私…?」
こんなに地味で目立ってない私が…?
「…たしかに透明感といい、素朴で品のある感じ…ピッタリかも!」
いつも目立っている女の子がキラキラと瞳を輝かせてそういう。
「うん!いいよね!」
「立間さん可愛いもんね!」
みんなはあっさりと賛成してくれたけど、私なんかに務まるのかな…。